ゲストハウス

「水面に舟」やります

こんにちは、ぶーです。

地震後初めてのブログ投稿となりました。

 

お伝えしたいことや記録として残したいことは山ほどありますが。。。

目の回るような毎日になかなか手をつけられなかったブログをなぜか今書きたいと思い、その気持ちをそのまま文章にぶつけてみます。

「海と山に生きる」ゲストハウス黒島のコンセプトを実行へ

早速本題です。

ゲストハウス黒島のコンセプトである「海と山に生きる」を具現化するための取り組みを始めます。

 

今回のイベントは題して「水面に舟」。

内容は至ってシンプルで、人力で舟を200m運び海に浮かべるというだけのものです。

動機も至ってシンプルで、ボクたちは黒島の舟が黒島の海に浮かぶ情景をもう一度見たいから、です。

機械や技術が発達したこのご時世において、何が悲しくて大の大人が揃いも揃って舟を手で運ばなければいけないのか。

その理由は「海底隆起」です。

今からほんの10か月前、黒島の海が凪いだ日には10隻ほどの舟が海に浮かび、地元漁師さんたちがサザエやアワビ、魚や海藻を採っていました。

「いつか自分もあの一員になるぞ」

“漁師で猟師”の宿を夢見て、船舶免許も取りました。

漁協の組合員として迎えられる日も間近でした。

ところが1月1日、地震は町を破壊するだけでは飽き足らず、黒島の豊かな海にも深刻なダメージを与えたのです。

海底隆起によって海面は4m下がり、海岸線は200mせり出しました。

海底隆起によって陸地となったエリアはかつて、ワカメの新物が取れるポイントとして、黒島に春の訪れを告げる場所でした。

藻場の縮小とともに、もう一つ海底隆起が引き起こした深刻な問題。

それが「漁港機能の喪失」です。

船小屋のすぐ前から舟を浮かべることができた漁港の中はすべて陸地となり、舟はオブジェと化しております。

「海を取られたら黒島はもう、黒島ではない」

ある漁師さんは言いました。

豊かな暮らしを今に繋げてきた大先輩方にとっても、海底隆起がもたらした喪失感は非常に大きいのです。

 

でも。。。

でもです。

姿形は変わっても、黒島の海は今も美しいし、ボクたちは黒島の海で漁に出たい。

海底隆起は震災の凄まじさを伝える場所として注目を浴びるかもしれないけれど、

ボクたちは黒島の海を「悲しい歴史を物語る場所」にしたくはないのです。

黒島の海に、黒島の舟が浮かんでいる。

かつて日常の光景として眺めていた景色をもう一度自分たちの目で確かめ、

揺るぎのない到達点として脳裏に焼き付けたいのです。

 

ボクたちは舟を海に出す方法を知りません。

だから舟を手で運びます。

 

「10人もおれば運べるやろ」

手がかりは漁師さんの一言だけです。

人力で舟を運ぶのがどれほど大変か。

どんな道具があれば“船出”を日常のものとできるのか。

これから試行錯誤していくためのきっかけとして「水面に舟」を浮かべます。

 

「水面に舟」イベント概要@ゲストハウス黒島

イベント概要は以下のとおりです。

【ご参加について】

・日  時:11月2日(土)、(予備日:11月3日(日))

・場  所:ゲストハウス黒島及び黒島漁港

・参加費用:1,500円/人(昼食(おにぎり)、保険料込)

・持 ち 物:汚れても良い服装、安全靴(無ければ長靴)

・参加条件:なし(お子さまの

 

【タイムテーブル】

10:00 ゲストハウス黒島集合

10:10 黒島漁港へ移動

10:30 漁協組合長高島さんより、黒島の海についてお話を伺う

11:00 舟を運び海に浮かべる(見学のみも可)、写真撮影

13:00 昼食@ゲストハウス黒島

14:00 (株)湊の取り組みについて、代表杉野よりご説明

黒島周辺の海の今後について参加者でディスカッション

15:00 解散