ゲストハウス

「こみんぐる」経営者、林 俊吾さんから学んだゲストハウス開業のポイント

こんにちは。

6か月後にはゲストハウスオーナー、ぶーです。

 

2023年11月、ボクは頭を抱えていました。

 

「コ、コンセプトが定まらねぇ。。。」

 

なんだか春頃から同じようなことを言っているので「ま〜だそんなこと言ってんの?」とツッコミが入りそうですが、いやちょっと待って、と。

「一言で表現する」ことって、真剣に挑んでみると本当に難しいんです!

 

例えばこう聞かれて即座に答えられる人がどれくらいいるでしょうか??

 

「あなたという人間を一言で表してください」

 

。。。

 

「うーん、出身は〇〇でぇ、趣味は〇〇でぇ、仕事は〇〇で、あっ!最近は〇〇にハマってます!」

 

みたいになりません!?

そうなんですよ!まさにそれ!(←一人で納得すなw)

 

“産みの苦しみ”とはこのことを言うのかと、序盤も序盤でまだ迷走していたボクは「最後の切り札」を切ることにしました。

 

そうだ!俊伍くんに、聞こう。

 

「株式会社こみんぐる」経営者、林 俊伍さんとの出会い

俊伍くん、なんて馴れ馴れしく呼んでますが、林 俊伍さんは金沢で古民家宿を20以上手がける凄腕経営者。

>>>林 俊伍さんが手がける「旅音」HPはこちら

 

時を遡ること約4年。

ボクが初めて俊伍くんと出会ったのは、2020年1月のこと。

友人から「金沢に古民家ゲストハウスを経営しているおもしろい人がいるから紹介するよ!」と言われ足を運んだ先。。。

彼が奥さまである佳奈さんと最初に手がけた宿で開かれた、餅つき大会の時でした。

そこで彼と話をするうちに、実はボクと彼は同じ高校の、同じ学年だったという事実に気づいたのです。(文系と理系で教室が離れていて話したことはなく、お互いうっすらと顔を覚えている程度だった)

翌2月には俊伍くんが主催者の一人として金沢で学生向けに開催した「金沢ゲストハウスインターン」に、“人生に迷っている公務員枠”(←そんな枠の設定はなかったが)で参加させていただきました。

 

>>>関連記事:【金沢ゲストハウスインターン】個性と魅力溢れる金沢の3大ゲストハウスをご紹介!

 

久しぶりに「こみんぐる」の林 俊伍さんを訪ねた

そして時を戻し先月のこと。

かねてから「ゲストハウスやるなら相談乗るよ〜」と言ってくれていた俊伍くん。

いつもめちゃめちゃフランクに声をかけてくれるのですが、やはり忙しい経営者の時間をいただいて自分のゲストハウス開業について相談するには覚悟が必要でして。

1年以上も「いつか。。。」と先延ばしにしていましたが、ゲストハウス黒島のコンセプトづくりに行き詰まったボクは意を決して俊伍くんに会いに行きました。

 

金沢駅前のコインパーキングに車を停め、荷物を確認。

友人を訪ねるというのに、まるで就職面接を受けにきたような気分だ。。。

 

打ち合わせの場所は旅音の宿のレセプション(受付)でもあるcrasco旅音

自動扉をくぐると、絶え間なく訪れるゲストに笑顔で接するスタッフさんたちの姿が目に入ります。

すぐに背後から「おぉ!杉野!」とボクの名を呼ばれ振り向くと、俊伍くんも何やら作業をしていた様子で、改めて忙しい時間を割いてくれたのだなぁと実感。

 

促されて座敷に座り、近況報告を。

1〜2分ほど話した後、俊伍くんはフッと姿勢を変えたかと思うと、単刀直入に聞いてくれました。

 

「で、今日は何聞きたい?」

 

 古民家宿経営者、林 俊伍さんから学ぶゲストハウス開業のポイント

カチッ、とスイッチの入る音が聞こえたようでこちらも背筋が伸びる。

「ゲストハウス黒島のコンセプト、あと一歩のところで決めきれなくて」

ボクが返すと、

「あぁ、悩んでたもんね。facebook見てるよ。コンセプトについて話すとき、ストーリーづくりの側面と、戦略、つまり『お客さんがなぜそれを選ぶのか』というマーケティングの側面と、2つの切り口があるけど、どっちかな?」

と俊伍くん。

「ストーリーの方!いや戦略もかな。自分の宿を分かりやすく伝えようと思ってコンセプトを考え始めると、そのコンセプトはどんな人に刺さるのだろう、ターゲットとなるのはどんな人物像だろうと迷い、そもそも誰にきて欲しいのかが決まらないとコンセプトだって決めようがないんじゃ??となって堂々巡りになってしまって。ニワトリか卵か、みたいな。。。」

 

「なるほど。じゃあまず戦略の方から話した方が良さそうだね」

 

ゲストハウス開業のポイント:弱者のための経営戦略

「まず大前提として、ウチらが取るべき戦略は“弱者の戦略”っていうことを抑えておかなきゃいけない。分かりやすく、あえて言葉を選ばずに言うと、『行政が言い出したら(その施策は)オワコン』なんだ。世の中みんなが良いと言うことを行政は推そうとするけど、その頃には大企業が資本を投じて残りのニーズすべてを根こそぎ刈り取るからね。ワーケーションとかが一つの例。そこに弱者が挑んじゃダメ。弱者は世の中が「いい」と認める前に仕掛けなきゃいけない」

と俊伍くんは切り出し、次のことを教えてくれました。

【弱者のための経営戦略】

・サービス提供を行う「エリアの選定」とサービスの「主軸」について

・学ぶべきは「ランチェスター戦略」と「ブルーオーシャン戦略」

ゲストハウス開業のポイント:エリア選定

まず、サービス提供を行う「エリアの選定」について。

これは言い換えると、自分は「どこで商品を売るか」ということ。

ボクは今まで、ゲストハウス黒島は「黒島を訪れる人」またはもう少し大きな単位で「門前町を訪れる人」をゲストとして考える、との先入観がありました。

しかし俊伍くんは当たり前のように言います。

「ゲストハウス黒島の場合、サービス提供のエリアは『黒島』ではなく『奥能登』だね。黒島をエリアと考えるとお客さんになり得る人の母数が少なすぎるし、そもそも奥能登を訪れる人は特定の自治体や地域ではなく『奥能登』を目的としていることが多いんじゃないかな』

 

言われてみてハッとしました。

確かにボク自身、金沢に住んでいたときには

「この週末は『能登』へ行こう」と考えることはあっても、

「この週末は『輪島市』へ行こう」と考えたことは一度もありませんでした。

 

ボクは能登に住んでもうすぐ3年が経ちます。

能登の土地にも当然詳しくなった訳ですが、その分視野が狭くなっていたのかもしれません。

たぶん人は土地への関わりが深くなるほど、土地を小さな単位に細分化して認識する傾向が生まれるようです。

考えてもみればボクが普段、東京を「東京」として認識するのに対し、東京に暮らす人同士の会話では「〇〇区」とか「〇〇駅」がエリアを認識するうえでの出発点となるのと同じだよな、と気づきます。

ゲストハウス黒島のゲストとなってくれるのは、おそらくほとんどが能登の外に住む方達です。となると目的地は「能登」もしくは「奥能登」となり、アクセスや土地の風土を考えても、サービス提供のエリア選定としては「奥能登」とするのが自然なような気がします。

 

ゲストハウス開業のポイント:サービスの主軸

「次に考えなきゃいけないのは、ゲストハウス黒島が奥能登エリアで『何で一番を取るか』だね。」

なるほど、と思う。

エリア選定を行なったのは、「何で一番を取るか」の問いに向き合う前提条件、「どこで」を決めるためだったのです。

ゲストハウス黒島のコンセプトを決めるにあたって、すでに奥能登エリアで同一コンセプトを掲げる人気宿が存在する場合、あえてそこに挑むよりはコンセプトをずらす方が賢明そうです。一方、同一コンセプトの人気宿が北海道にあったとしても、さほど気にする必要はないよな、と。

「この前杉野、自分で書いてたじゃん!『漁師で猟師』って。あれ面白いと思うなぁ。聞いたことないもん、海の漁も山の猟もするオーナーが営む宿って!」

ケラケラ笑いながら俊伍くんが言いました。なんだかボクも“イタズラの計画”を友だちと企てているようですごく楽しい(笑

俊伍くんの言うように、どうやら答えはすでに自分の中にあったようです。

ただ、信頼できる誰かに背中を押してほしかったのかもしれません。

「それ、いけるよ」って。

 

ゲストハウス開業のポイント:「ランチェスター戦略」と「ブルーオーシャン戦略」について

「そうそう!ランチェスター戦略とブルーオーシャン戦略については勉強しておいても良いかもしれないね。ウチも参考にしてるし」

俊伍くんがくれたアドバイスにボクは

「ランチェスターとブルーオーシャンかぁ。なんとなく知ってるつもりではいるけど、そんな深く勉強したことないなぁ」

と間延びした答えを返すしかなかったのですが、調べてみると結構関連する本があったので早速ポチりました。

本を読み始めると、俊伍くんがこれまで教えてくれた

・エリア選定の考え方

・他と競合しないサービス設定

・強者にはできない、弱者ならではの戦略

に基づいた考え方だと気づきました。

さらに本を読んで血肉にします。

 

 

次回は俊伍くんからの学びを受けて決定した、ゲストハウス黒島のコンセプトについてブログを書きます!

また読んでいただけると嬉しいです!

 

 

バイぶ〜