ゲストハウス

「みなとやゲストハウス」から学んだ5つのこと(後編)

 

 

(前編はこちら)

 

「みなとやゲストハウス」から学んだこと③

学びその3。

「地域を元気に!」は結果であって目的ではない、ということ。

 

これは地元の方からの又聞きになってしまうのですが、みなとやゲストハウスオーナーご夫婦が大切にされている経営哲学(?)の1つが、

 

「自分たちの手の届く範囲のことに集中する」

だそうです。

 

 

どういう話の流れでこの経営哲学を聞いたかというと。。。

地元の方に次のような話をしたときでした。

 

 

〜〜〜〜〜(地元の方へ話した内容)〜〜〜〜〜

ボクはゲストハウスの夢について考えると、自分が暮らす黒島という集落の暮らしを将来に繋げていけたら。。。

なんて壮大なことについ考えが及んでしまうんです。

時々そうした「地域を元気に!」的な想いが先行して、いつの間にか自分が息苦しくなっていることに気づくことがあるんです。

 

ゲストハウスの事業をきっかけに、

・集落内の空き家情報の整備

・空き家の残置物処理サービスの開発

・建築士と協力した改修サービスの開発

・小規模事業者への開業アドバイス

 

。。。なんて、今の自分には到底手が及ばないことにまで妄想が膨らみ、今の自分の「足りてなさ」に愕然とする、みたいな(笑

 

みなとやゲストハウスさんの周りには温かいコミュニティができていて、みなとやゲストハウスへの宿泊をきっかけに移住しちゃった方も何人もいらっしゃいますよね??

オーナーさんご夫婦は空き家の紹介事業とかにも携わっているようだし、すごいなぁと。

 

 

〜〜〜〜〜(終わり)〜〜〜〜〜

 

ここまで話した後の地元の方からの答えが

「みなとやのオーナーさんたちは、自分たちの手の届く範囲のことに集中しようっていつも言ってますよ」

と。

 

「地域を元気に!」は結果であって目的ではない。

 

この学びはボクの勝手な解釈によるものですが、「地域の将来」という重たすぎるものを背負って眉間に皺を寄せるくらいなら、ゲストハウスの事業に集中して楽しむ姿勢がまずは大切なんじゃないかなと。

 

そもそもゲストの目線に立てば、地域を元気にしたいからゲストハウスに泊まるのではなく、楽しい体験や出会い、美味しいものを求めてゲストハウスに泊まるんですよね。

 

だからボクが発信すべきことも「地域を元気に」より「自分自身が楽しんでいる姿」なんです。きっと。

 

「みなとやゲストハウス」から学んだこと④

学びその4。

観光案内はゲスト同士に任せて良い、ということ。

 

ゲストハウスをやるからにはもっと地域に詳しくなって、見どころやお店をもっと紹介できるようにならないと!と、思ってました。

 

がしかし、この考えもまたみなとやゲストハウスで覆されます。

この写真はみなとやゲストハウスを愛してやまない常連さんが、壱岐の見どころをレクチャーしてくれる様子。もうこれがめっちゃ良かったんです。

何が良かったかと言うと、旅人の目線で、臨場感たっぷりな情報を聞けること。

今日行ってきた!とか、昨日行ってきた!の新鮮な感動や情報をそのまま聞くので、ワクワクもひとしお。

そして意気投合した場合にはそのまま「乗ってく!?一緒に行こうよ!」みたいな流れに発展することも。

 

この観光案内のテンションは住民ではなく旅人だからこそ出せるものなのかなと感じました。

 

まぁこの学びについては、「ゲストハウスが好きすぎて勝手にアンバサダーを買って出る常連さんの獲得」という、自分で地域に詳しくなるよりよっぽど難しい課題をクリアすることが求められるのですが(笑

 

 

「みなとやゲストハウス」から学んだこと⑤

学びその5。

アクティビティの「安定供給」は考えなくて良い、ということ。

 

当たり前と言えば当たり前なんですが、海遊びには季節や天候によって向き・不向きがあります。

・海が穏やかな日はSUP

・波が立てばサーフィン

・風のない日は釣り日和

など。せっかく海遊びを楽しみにして来てくれたゲストを空振りさせないためにはどうすれば良いか、が課題だと思っていました。。。

思っていましたが、みなとやゲストハウスを訪れてみると、その心配はただボクが考えすぎていただけだったと気づきます(笑

 

みなとやゲストハウスでは

・SUP

・カヤックフィッシング

・ウニかき体験

・こどもの島旅

・サビキ釣り

など、魅力満点なアクティビティメニューが用意されているのですが、訪れるゲストにアクティビティメニューをメインの目的としている方は少なくて、それぞれに楽しみ方を上手に見つけて楽しんでいる様子でした。

 

ちなみに今回ボクが訪れたのは5月で、ウニ漁真っ盛りの時期。

訪れるゲストの半数以上がウニかきを体験されていました。

(写真:みなとやゲストハウス名物のウニかき体験)

 

海女である女将さん曰く「お寿司屋さんで提供されるウニは形を綺麗に保つためミョウバン漬けにされているのね。ミョウバンの苦味をウニの味と思ってウニが嫌いだと言う人がいるけど、剥きたてのウニは自然の味。ぜひ食べてみてくださいね!」と。

 

ウニかき体験の翌朝、炊き立ての白いご飯に自分で剥いたウニ。

期待していましたが、期待の斜め上をいく美味しさでした。

 

 

 

おまけ:旅のお土産

みなとやゲストハウスからの学び。

後編はボクが勝手に解釈した部分が大きかったですが、やはり自分の理想とするゲストハウスを体感する経験は何ものにも変え難いものとなりました。

 

壱岐を旅する前に感じていた宿づくりに対する迷いはどこ吹く風。

「あれもこれも」と何から手をつけて良かった状態から、自分が大切にしたいものとそうでないものをふるいにかけることができたかなと。

普段自分へのお土産を買うことはあまりしないボクですが、今回は4点ばかり。

・みなとやゲストハウスオーナーさんがデザインしたTシャツ2枚(色違い)

・黄色のギョサン

・美術館で見つけた夕陽の絵

 

絵は、「鬼の足跡」と呼ばれる名所に夕陽が差し込む様子を描いたもの。

初めてこの絵を見た瞬間、自分の足元から1本の道がまっすぐ伸びているような感覚を受けて、今の自分にピッタリだなぁと感じて購入。

 

優しい島の方の親切を受けて、現地で夕陽を眺めることができました。

ボクが住む黒島からも、毎日水平線に沈む夕陽を見ることができます。

壱岐から眺めても、黒島から眺めても夕陽はひとつ。

 

宿づくりに迷ったときはまた、絵を眺めて壱岐に思いを馳せよう。

 

な〜んて、最後はカッコつけました(笑

 

 

 

壱岐のみなとやゲストハウス。

もうホンっっっっっっとに最高なゲストハウスなので、旅好きな方は一度訪れてみてください。

 

ボクもまた学びに(遊びに)行かせていただきます。

 

 

 

バイぶ〜