ゲストハウス

「なぜ、ゲストハウスなの?」〜ゲストハウス黒島をつくる理由〜後編

 

「なぜ、ゲストハウスなの?」と聞かれたら。

続きをお話させてください。

 

>>>前編はこちら

 

なぜ、ゲストハウスか。3つ目の理由はやはりこれ。

ゲストハウスには人生を変える出会いがある

ゲストハウスには人生を変える出会いがあるから、です。

 

人生を変える出会いと言うときには、

・訪れる人(ゲスト)にとっての出会い と、

・つくる人(オーナー)にとっての出会い

この2つの側面があると思っています。

 

ゲストにとっての「人生を変える出会い」

まず、ゲストにとっての人生を変える出会いについてです。

ゲストハウスって基本的に、面白い人が集まる場所だなぁとボクは思っています。

理由を分析したことはないのですが、たくさんの宿泊施設がある中でわざわざ「相部屋×交流」なゲストハウスを選ぶ人って、オープンマインドの持ち主だと思うんですよね。

 

そしていい意味で「変わった人」に出会える。

で、ここが大事なポイントだなと思うのですが、「変わった人」ってどんな人なのかって話です。

普段そんなに意識することはないと思うのですが、ボク含め多くの人は「似たような価値観を持つ集団」の中で日々暮らしているんですよね。

 

例えば地方公務員の場合。。。

地元の小中学校を出て、勉強は割とできたから高校は進学校へ通い、「どの大学に行くか」という選択肢の中で進路を選び、サークル活動にアルバイトで忙しくしていたらもう就職を選ばなくちゃいけなくなり、決めきれないまま親や周囲の勧めもあってとりあえず公務員試験受けるかみたいな流れの中で公務員人生が始まり、「向いてなかったら別の仕事でも探すか」と思っているうちに彼氏(彼女)ができて、将来を見通しやすい職業柄もあって問題なく結婚し、そのうち子どもができてマイホーム。ローンの支払いや家族の生活もあるから、仕事はキツくて退屈でも歯を食いしばって行きます。金曜はウキウキ、日曜の夕方はしょんぼり。

みたいな。

あ、これほぼボクの話です(笑

 

でもどこか他人事じゃない感覚を覚えた人は多いんじゃないかなと思うのです。

似たような境遇で育ち似たような環境で暮らしている人たちの集団に属しているのは、むしろ当たり前のこと。普段はこうした日常とも言える環境に身を置くのって安心感があって良いのですが、仮に今の生き方にうっすら違和感があったとしても「みんな頑張っているから」と違和感を押し殺してしまう、そんな怖さもあるような気がします。

例えが長くなりましたが、ここでボクが言いたかったことは、世の中実は「変わった人=自分とは異なる人生を生きている人」で溢れていて、もしかしたら“そっち側”の生き方が自分には向いているかもしれないのに、そのことに気づくチャンスって日常の中にはない、ということです。

 

「いやいや!自分にはいろんな生き方してる知り合いたくさんいるから!」

という反論はもちろんあるかと思います。

でも、こう質問されたらどうでしょう??

「あなたはこの1か月の間に、自分と異なる人生を歩んできた人と『生き方』について語ったことはありますか?」

きっと首を縦に振る方は少ないのではないでしょうか。

 

じゃあゲストハウスでは「生き方」について語るんですか??

という質問が次には投げかけられそうですが、安心してください。

語ります!笑

しかもごく自然な流れで。

 

例えばこんな感じ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ボク「シュノーケルやフィンをお持ちのようですが、海がお好きなんですか?」

相手「はい、海が好きすぎて、一人で来ちゃいました」

ボク「へぇ〜!すごいバイタリティですね!どのくらい滞在するんですか?」

相手「ここには1か月ほど」

ボク「え!?そんなに長く休みが取れる仕事があるんですか?」

相手「実はダイビング雑誌の編集社に勤めていて、今回は取材という名目で来ています」

ボク「名目、ですか。。。」

相手「はい。行き先も取材期間も自分の自由が効きますし、そもそも海が好きなんで遊んでいるんだか仕事しているんだか分かりませんよね。」

ボク「へぇ〜!いいですねぇ!ちょっとボクには想像もできない世界だ!ちょっとお話聞きたいなぁ!」

相手「ぜひ。今日の夕飯はもう決まっていますか?」

ボク「実はまだ」

相手「じゃあ今日知り合った取材先で、地元のダイビングショップの方々とこのあと飲む約束があるんですが、一緒にいかがですか?」

ボク「え!?いいんですか?大事なお仕事の場じゃ。。。」

相手「いいですよ!みなさんとっても気さくな方です。ぶーさんも海がお好きならきっと話しが合うと思いますよっ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

みたいな。どうです?ワクワクしてきません??笑

思うに、ゲストハウスでは「何が好きか?」が会話のきっかけとなることが多く、訪れるゲストの人々もきっちりとした“旅行計画”を持ち合わせていない。そこに初めまして同士の安心感(ソリが合わなければそれでいい)があって、すぐにふか〜い話までしちゃうんです。

 

もちろん、自分とは異なる人生観に触れたからといって、すぐに人生が変わるわけではありません。

でも大事なのは、自分が知らない間に信じてきた価値観が揺さぶられることにあるとボクは思います。

「自分の今の生き方って、唯一の正解なのかな?もしかしたら違う道もあるのかな?」

こんな自分への小さな投げかけが、いつか人生を変える決断に結びつくことだってあるはずです。

ボクだってその一人。

 

まとめると、ゲストハウスには「人生を変える出会い」を構成する3つの要素

・自己開示をためらわない「オープンマインド」な人が集まる

・自分とは異なる人生を生きてきた「変わった人」と出会うことができる

・思わず「好き」や「人生観」などを話しちゃう、安心感や開放感がある

が備わっているんです。

 

だからゲストハウスに行けば、「人生を変える出会い」に恵まれる。。。

かもしれません笑

 

オーナーにとっての「人生を変える出会い」

次に、ゲストハウスオーナーにとっての人生を変える出会いについて。

ちょっと後付け感が出る話になってしまうかもしれません。

ゲストハウスを営むことで人生を変える出会いを得たいと願ったのは事実なのですが、

ゲストハウス黒島をつくる中である大切な事実に気づいたんです。

 

それは。。。

ゲスト対ゲストの出会いと、ゲスト対オーナーの出会いって違うんじゃないの?」

ということです。

 

当たり前と言えば当たり前なんですが、ゲストとしてゲストハウスを訪れたときには自分の時間をすべて自由に使えるのに対し、オーナーとしてゲストを迎え入れる側になったときには宿のオペレーションをこなしながらゲストと接することとなります。

もっとシンプルに言いますと、

「出会いが欲しくてゲストハウス始めたのに、ゲストとじっくり話す暇なんかないんじゃないか!?」

という心配が生じたんです(笑

 

これはマズイ。オーナーのテンションが下がっては良いゲストハウスなどできません。

ここらで「ゲストハウスにおける人生を変える出会いは、オーナーになっても享受できるのか問題」について考えておく必要があるなと(笑

 

3秒ほど考えたのち、心配は吹き飛びました。

大丈夫!既にボクは人生を変える出会いに恵まれまくっているじゃないか!と。

 

ゲストハウスをつくる側になった今。。。

・経営のアドバイスをしてくれる先輩方

・プロの技を惜しげもなく教えてくれる優しい大工さん

・海遊びや狩猟のアドバイスをしてくださる“遊びの達人”な方々

・宿のHPやイラストを担当してくださる超優秀なデザイナーさん

・地元に精通していて、人を喜ばせることも抜群にうまいカップル

・ただのスノーボーダーと思っていたら消防設備のプロだった友人

こんなに素敵な人たちに支えられながら、ゲストハウス黒島は少しずつ形になってきていると気づいたのです。

なんだか「最強のチーム」みたいになっていきそうで、最近すんごくワクワクしています。

 

ゲストとしてゲストハウスを訪れる際の出会いが“インプットのための出会い”なら、オーナーとしてゲストハウスをつくる側に回ったときに得られる出会いは”アウトプットのための出会い”なのかもしれません。

 

 

まとめ:「なぜ、ゲストハウスなの?」〜3つの理由〜

「なぜ、ゲストハウスなの?」と聞かれたら。。。

・そもそもボクの人生がゲストハウス的だから

・ゲストハウスには概念的な包容力と地域への広がりがあるから

・ゲストハウスにはゲスト&オーナー、両方に人生を変える出会いがあるから

以上が理由です。

 

案の定書き始めたら長くなってしまったのですが、聞かれればもっと出てきそうです(笑

今回はこのへんで筆を置きます。

 

ではまた!

 

 

 

バイぶ〜